タイ語・ちょっとだけ



 2.  品詞

  2- 3 動作詞 ( 動詞・形容動詞 )
  คำกริยา  (カム・クリヤー)


คำกริยา ( カム・クリヤー ) というのは、名詞または代名詞 の動作、または状態を表す語( 動詞 )と定義されている。 さらに、それらは、動詞のみで意味を完結して表現できるもの ( 自動詞 )と動詞の作用の対象( 目的語 )を伴って初めて意味を完結できるもの ( 他動詞 )とに分けられる。

  @ 自動詞    ( อกรรมกริยา

       ( 例 )     เล่น    ยืน
                (遊ぶ)     (立っている)

  A 他動詞   ( สกรรมกริยา

       ( 例 )     กิน  ข้าว
               (食べる)  (ご飯を)



คำกริยา ( カム・クリヤー ) のうちで状態を表す語( 形容動詞 )を、กริยาคุณศัพท์ ( クリヤー・クンナ・サップ ) として、「動詞」とは区別している教本もあるが、タイ人たちは、普通は区別しないようである。


方向動詞
 「動詞」 のうちで、ไป (行く)、 มา (来る)、 ขึ้ง (上る)、 ลง (下がる)、 เข้า (入る)、 ออก (出る)、 ไว้ (おく) などの 「動詞」は、「主動詞」、「主形容動詞」の後に、「副動詞」的に付加され、動作の方向や継続などを表し、「方向動詞」といわれることもある。主動詞が「他動詞」の場合は、目的語をはさんで、その後に付加される。
 頻繁に使用されるにもかかわらず、タイの文法解説では問題にはされないようで、「方向動詞」の分類はない。

 日本語においては見かけない動詞の使用法なので、いくつか例を挙げておく。

ไป   (行く)

     遠ざかる方向を表したり、未来への継続を表現する。

           รักกันไป      (愛し合い続けていく)
           ขึ้งไป        (上がっていく)
           ความเป็นไป    (これからの成り行き)
           ต่อไป        (これから先、今後)
           ลืมไป        (すっかり忘れ去る)
           หายไป       (失ってしまう)


มา   (来る)

     近づいてくる方向を表したり、過去から現在までの継続を表現する。

           รักกันมา      (愛し合い続けてきた)
           ความเป็นมา    (これまでのいきさつ)
           ลงมา         (降りてくる)
           ต่อมา        (これまで、その後ずっと)
           รักกันมา      (愛し合い続けてきた)
           ความเป็นมา    (これまでのいきさつ)
           ต่อมา        (これまで、その後ずっと)


ไว้   (〜しておく)

     主動詞の状態を、継続または放置することを表わす。

           เก็บไว้      (しまっておく)
           จำไว้       (覚えておく)
           เปิดไว้      (開けておく)
           บอกไว้      (言っておく)
           ฝากไว้      (預けておく)
           วางไว้       (置いておく)


ไป (行く)」、「มา (来る)」 について

 「行く」、「来る」というのは、ある規準の場所から「遠ざかったり」、「近づいたり」という意味が基本で、英語の、「 go 」、「 come 」 と似ている。日本語の「行く」、「来る」とは、ニュアンスが異なるため、時として誤解のもととなる。
 たとえば、
電話での会話中に、こちらから先方へ、再度電話する場合は、โทรมาอีก といい、先方からこちらへ 電話してもらう場合は、 โทรไป となる。
電話での会話は、先方の側を規準に話すのが普通である。

 余談だが、「こっち(こちら)」、「あっち(あちら)」という、場所をあらわす言葉も、「行く」、「来る」と同様に、日本語とはニュアンスがちがうので、誤解しないようにしなければならない。
 電話をかけてきて、先方は、もしかして間違い電話ではないかと心配になり、
ที่นี้ที่ไหนこちらはどこですか) 」などと言われて、ドギマギすることのないように。