タイ語・ちょっとだけ



 1.  タイ文字 (続き)

 タイ語の発音の仕組みは非常に複雑で、以下のような要素によって、同じ文字でも発音の仕方が異なります。
    @ 単語の先頭の子音字母のクラス(高・中・低)
    A 単語の先頭の音の長・短の区別
    B 語尾の開・閉音の区別
    C 声調符号の種類
    D 特別な例外
 以上の要素により、単語の固有の発音が決定されます。たいへん複雑で、正確に発音することなど GIVE UP しそうです。

    1- 4 声調符号  วรรณยุกต์
 (ワンナユック)

 ワンナユックとは、音楽的な発音の流れと、音の高さを表すための記号である。
ワンナユック(声調符号)には、4種類あり、無符号とあわせると、「5声調」になる。


         (1) ワンナユック(声調符号)の種類


普通声調
無符号
普通声調 ไม้เอก (マイ・エーク / 第1符号)
普通声調 ไม้โท (マイ・トー / 第2符号)
普通声調 ไม้ตรี (マイ・トリー / 第3符号)
普通声調 ไม้จัตวาี (マイ・チャッタワー / 第4符号)
 
 อ์
ไม้การันต์ (マイ・カーラン / 特殊語尾子音符号)
※ 1) ワンナユック(声調符号)は、字母と抱き合わせでないと表示できないため、便宜的に  に付加して表示してあります。
※ 2) ไม้การันต์ (マイ・カーラン / 特殊語尾子音符号)は、ワンナユック(声調符号)ではありません。
 主として、外来語のタイ語表記で使われる記号で、この記号のついている字母は、発音しないことになっております。 詳しくは、次節で。

         (2) 5声調

普通声調[中平調]  เสียงสามัญ   (例) กา ดา ปา
第1声調[低平調]  เสียงเอก   (例) ก่า หน่อ ปาก
第2声調[高平調]  เสียงโท   (例) ก้า น่า มาก
第3声調[下降調]  เสียงตรี   (例) ก็า ชัก ค้า
第4声調[上昇調]  เสียงจัตวา   (例) ก๋า ขา หนา

         (3) 声調符号と声調に関して、2種類に分類できる。
   @ 声調符号が付加されていて、その符号のとおりに発音するなかま。
    ก่า ก้า ก็า ก๋า など


   A 無符合または声調符合の声調とは、異なった声調で発音をするなかま。
    คาง (中平調)、ปาก (低平調)、น่า (高平調)、ค้า (下降調)、หนู(上昇調) など


         (4) タイ語の声調について

 タイ語を発音するとき、とても難しいのが、タイ語における「声調」です。もしカタカナ表記するとすると、いずれもおなじ「カー」となるのですが、タイ語の場合、有気音、無気音あわせると10通りの発音の仕方があり、文字にすると、さらに数倍の数の単語がありうるのです。
 タイ人のためのタイ語の説明書では、「有気音」、「無気音」、「声調」等については、あまり詳しい説明をしてありませんが、タイ語を話したり、聞いたりするときには、重要な事なので、ちょっと、『文法』とはわき道にそれますが、付け加えておきました。

タイ語の声調
    グラフは、縦軸に 男性の場合の 音の高さを ヘルツで、横軸には、音の持続時間 を % で表示してあります。




  第1声調〜第4声調の例を、お聞きくらべ下さい。

     ・ 第1声調[低平調] ใหม่ (新しい)            ここを クリック

     ・ 第2声調[高平調] ไม่ (燃えるまたは〜しない)   ここを クリック

     ・ 第3声調[下降調] ไม้ (木または〜ですか)     ここを クリック

     ・ 第4声調[上昇調] ไหม (蚕)              ここを クリック

     ・ 第1声調〜第4声調 とおして (それぞれ、2度くり返し)  ここを クリック

     普通声調に ไมล์ (マイル) などがありますが、普通になだらかに発音するだけですので、省略しました。