北タイの野菜

パム  ( ผำ )

学名  Wolffia globosa  Hartog & Plas.
( ウキクサ科 : Lemnaceae 


( 北タイ名 ) パム ผำ
( タイ名 ) パム ผำ
( 日本名 ) ミジンコウキクサ  

 
pam01.jpg これ、一体、何だと思われますか。
 初めて市場でこれを目撃したとき、これが食べ物だとは思われませんでした。

 これは、浮き草の一種で「ミジンコウキクサ」といい、世界最小の種子植物なのだそうです。花も咲き、実もなるのでしょうね。

 次の写真を見ていただけると、わかると思いますが、直径1mm足らずの緑色の小さなガラス玉のような形をしております。

 あらためて、人間というものは、なんでも食べちゃうものだと感心させられました。



拡大写真  ( 実物の、およそ5倍 )
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  この一粒一粒の大きさは、おおむね、0.5mm前後。
 これを「葉状体」というのだそうで、葉と茎を兼ね備えているものなのだそうです。
  根は、ないようで、雨期に田や貯め池などの流れのないところに繁茂するようです。
 花が咲き、実がなるといってもどのようなものかは、見たことがないので不明です。

 雨期の太陽光を、一杯受けて、「澱粉」などを溜め込んで、乾期をのりこえて、翌年の雨期に、また発芽するようです。生育環境がととのうと、「株分け」のような形で、大繁殖するものと思われます。

 参考資料(タイ語)には、緑藻類(サラーイの一種)と、誤解された解説が掲載されており、生育環境や見た目から、そのように間違った理解がされているものと思われます。

 今では、日本のあちこちでも見られるようですが、20世紀の初めころに日本に入った帰化植物のようです。
 「ランチュウ」など、植物食の金魚の餌としても、売られていることがあるようです。



  料理方法
パム料理
 「ほうれんそうスープ」のように見えますが、油を薄く引いた鍋で、乾煎りしたあと、水や調味料などを加えた「オーム(煎りスープ)」という料理です。

 青臭さも感じられず、コクのある美味しいスープです。




 【参考】

 ” くーまる ウォッチング淡水の生き物 >   ミジンコウキクサ ”  に
 詳しい説明が、写真つきで公開されています。



【 薬効等 】
 ・ 薬効等については、データがなく不詳です。


100グラム中の栄養価

カロリー 食物繊維 カルシウム リン 鉄分 ビタミンA ビタミンB1 ビタミンB2 ビタミンC
 8 Kcal  0.3 g  59 mg  25 mg  6.6 mg  5346 IU  0.03 mg  0.09 mg  11 mg

『 Thai Food Composition Tables, Bangkok : INMU,1999 』 より転載