北タイの野菜

パク・ラ  ผักหละ

学名 Acacia pennata (L.) WILLD. subsp. insuavis Nielsen
または  Acacia insuavis LACE.
( マメ科 / ネムノキ亜科 : Leguminosae/Fabaceae 


( 北タイ名 ) パク・ラ ผักหละ
( タイ名 ) シャオム ชะอม
( 日本名 ) ハリエンジュ (アカシアの一種)  
( 英語名 ) Acacia Pennata  

  北タイでは、大昔から食用に供されてきた植物のひとつである。
 原産地などについては不詳。
  近縁の、「パク・カティン」、「ソム・ポイ」などとともに、「マメ科」、「バラ科」の共通の
 祖先とされている「ジャケツイバラ科」のある種の植物によく似た形態をしている。
 樹高3、4m程度のトゲのある「マメ科」の小木である。
  挿し木でよく繁殖し、庭の隅などで「半野生」状態のものをよく見かける。
 市場で売られているものの多くは、畑で挿し木栽培されたものである。
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パク・ラ  「パク・ラ」は、頻繁に食卓にのぼる、タイ人好みの野菜で、「きくらげ」、「ノー・カー」などとともに、「ケーン」の具になる。
 面白いのは、そのまま、鍋に入れたのでは、ばらばらになってしまうため、竹を裂いたひもで束ねて煮る。 束ねられたまま器(うつわ)にもられ、食べるときに、ひもをはずす。葉軸は硬いので、手でしごいて口にしたり、ちょっと、行儀が良くないが、葉先をちょっと丸めて、そのまま口に入れ、葉の部分だけを、しごくようにして食べる。
 このような食べ方は、常時「箸」などを使う食文化の土地からやって来た人には、なかなか難しいことである。

独特の臭みのため口にしない人もいるようである。
 実にくさい匂いがする。 このような匂いのするものは、日本にはないし、もしあったとしても、口にするものではないと思われる。
 初めて出されたときには、正直参りました。「パク・ラ」を料理に使っているときには、台所からかなり離れたところまで匂ってきます。

 「臭い」、「苦い」は、薬用効果のしるしと思って食べているうちに、病みつきになるもので、最近では、「パク・ラ」と「ヘット・フー(きくらげ)」 のケーンを催促することも・・・。
 下の写真は、その「 ケーン・ヘット・パクラ 」です。
名前からすると、「 ヘット (キノコ、この場合は、キクラゲ)」 が主役で、「 パク・ラ 」 は引き立て役のようにも思われます。

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  【 薬効 】
 ・ 「ベータ・カロチン」の含有量が多い。
 ・ 「吐き気」、「胃腸のもたれ」 など、消化器系の不健康状態を解消。
 ・ また、発ガン抑制作用があるともいわれている。


100グラム中の栄養価
『 野菜333種類 』( センデート社、2005年12月刊 ) より転載

カロリー 食物繊維 カルシウム リン 鉄分 ビタミンA ビタミンB1 ビタミンB2 ニコチン酸 ビタミンC
 57 Kcal  5.7 g  58 mg  80 mg  4.1 mg  10066 IU  0.05 mg  0.25 mg  1.5 mg  58 mg