北タイの野菜

ド−ク・ギウ  ดอกงิ้ว
学名 :  Bombax ceiba Linn.
( パンヤ科 : Bombacaceae 


( 北タイ名 ) ド−ク・ギウ ดอกงิ้ว
( タイ名 ) ド−ク・ギウ ดอกงิ้ว
( 日本名 ) キワタノキ ( カポックとは異種 )  
( 英語名 ) Red cotton tree  
 
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giu02.jpg ヒゲのような乾燥した雄しべが市場で売られている。
 はじめて見たときには、食材ではなく、タイ方薬の材料か、それとも、香辛料か何かと想像していた。

 水で戻すこともなく、このまま、「 カオソイ( タイ・ヤイの麺 )」 にいれたり、「 ケーン・ケー 」 という野菜類の煮物などに入れる。「 タイ・ヤイ 」 が好む食材のようである。
食感は、少し硬くてシコシコといった感じだが、印象に残る味ではなかった。


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 成長すると、高さ20mあまりの大木になる。幹にとげのあるのが特徴である。
 花は、乾期中ごろに開花し、落花したものを拾って、雄しべを採取する。

 材は、桐のように軽く、棺を作るのに使われたものだそうである。
 そんなことからか、縁起を担ぐ人は、庭などに植えることはない。
 棺おけを作るのに十分な太さになったころに、死人が出ると言い伝えられている。
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 「 不倫すること 」 を、タイでは、俗に「 ギウの木に登る 」ということがあるらしい。不倫した者は、冥界で、この「 とげ 」 のある木に登らされるのだそうである。
 そのこととは関係なさそうではあるが、とげのある「 ギウ 」 の若木を葬式に使っていたように記憶している。
 日本の田舎( 遠州 )でも、かつて「 シビトバラ 」 という、とげのある木を葬式で使っていたが、関係があるのかどうか。



【 参考 】

カポック ( パンヤノキ ) 」も「ギウ」と呼んでいて、同じなかまの木だが、異種である。
「 カポック 」の学名は、Ceiba pentandra Gaertn. である。
成長した木の幹には、「とげ」のないのが普通である。
 近縁種に 「 木綿( キワタ ) 」 のとれる種類もあるが、良質のものは採れないということで、北タイでは利用されることはないようである。
 ちなみに、果物の「ドリアン」も、同じ「パンヤ科」に属する近縁の植物である。

 通常、「キワタ」を採る「パンヤノキ」は、白色の小さめの花で、食用にはならない。
 完熟した「パンヤノキ」の実から採った綿は、プラスチック繊維のような性質を持っていて、水を吸収しないため、海難用の救命具などに利用されているが、タイの枕・座布団・マットレスの芯には、すべて「キワタ」が使われている。
 繊維が短いため、織物にはむいていないらしいが、技術革新により混紡材料程度には利用されるようになったらしい。

 「 パンヤノキ 」 については、高橋俊一さんの 『世界の植物』  に、大変詳しく掲載されています。


【 薬効など 】
 ・ 腹痛(塗り薬として?)
 ・ 根は、吐き気止めに効果あり


100グラム中の栄養価

栄養価の資料なし