タイの楽器


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  以下の写真は、管楽器の「クイ」を除いて、タイ国学士院出版の「辞典」(1999年版)からの転載。
「クイ」については、インターネット情報から、無断拝借させてもらいました。
楽器の説明は、冨田竹次郎著「タイ日辞典」(1987年版)を参考にしました。


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タポン(大太鼓) ( ตะโพน


お寺の太鼓櫓にも置かれていて、さまざまな合図にも使われた。

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クロン・ケーク ( กลองแขก


インド伝来の両面太鼓。

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クロン・シャナ(勝利の太鼓) ( กลองชนะ

首から提げて、両面をたたく。歩きながら演奏できて、かつて、凱旋部隊を先導したものと思われる。

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クロン・マラーユ ( กลองมลายุ

マレー伝来の両面太鼓。クロン・ケークとよく似ているが、こちらはバチを使う。

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クロン・ヤーオ(象足鼓) ( กลองยาว

片面太鼓。肩にかけて腰の前にぶら下げて演奏することが多い。歩きながらの演奏が可能。村祭りでは、なくてはならない太鼓。

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マホラトゥク ( มโหระทึก

「銅鼓」である。歴史の授業では、北ベトナムあたりに中心のあった「ドーソン文化」の典型的な遺物で、祭器と教えられた。この写真のものよりシンプルだが、村祭りで使っているのを見たことがある。ガランガランといった感じのあまり魅力的な音ではなかった。

g07_thumb.png クロン・エーオ ( กลองแอว
丸太の芯を抜いて作られた片面太鼓。長いもので、5m近い。牛車に乗せて運ばれ、さながら「大砲」のよう。皮の部分の中心に、粘土でできた輪を貼り付けて乾燥させたあと、その部分を、握りこぶしの「バチ」でたたく

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クロン・タット ( กลองทัด


芝居用に使われる両面太鼓

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トーン ( โทน

たたくところの大小で、2種類ある。大きいものを「トーン・マホーリ( โทนมโหรี )」、小さいものを「トーン・チャートリ( โทนชาตรี )」という。蛇皮、胴の部分は陶製。バチは使わない。

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バンド ( บัณเฑาะว์


小さな両面太鼓。上部の取っ手を持って、ふり子玉で鳴らす。「デンデン太鼓」に似ている。バラモン僧が儀式で使う。

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ラム・マナー ( รำมะนา


扁平な片面太鼓。大小2種類ある。

g12_thumb.png キム ( ขิม
“キム”は、中国語の“琴”(キン)から来たらしい。中国伝来らしいが、もとは中央アジア方面か。「ピアノ」の祖先?

g13_thumb.png チャケー(鰐) ( จะเข้
3弦。インドの「シタール」がモデルか。

g14_thumb.png チェン ( เจ่ง
“チェン”は“筝”。中国伝来の琴。18弦。日本の琴の兄弟分。

g15_thumb.png ラナート・エーク ( ระนาดเอก
硬音用のマリンバ。たたく棒の先に布は巻いてない。
材質は、硬質の木、竹、金属などさまざま。

g16_thumb.png ラナート・トゥム ( ระนาดทุ้ม
やわらかい音用のマリンバ。棒の先は、布で包んである。

g17_thumb.png コン・ウォン(環鉦) ( ฆ้องวง
大小の「鉦(かね)」を、籐製の環状の台の上に並べたメロディー楽器。大小がある。

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トレ・ファラン ( แตรฝรั่ง


洋式ラッパ。トランペットの一種。

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トレ・ゴーン ( แตรงอน


曲がったラッパ。角笛の一種。
王室の儀式で使われるらしい。

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ソー各種 ( ซอ


左から、ソー・ドゥアン(高音用二胡: ซอด้วง )、ソー・サームサーイ(三弦胡弓: ซอสามสาย )、ソー・ウー(低音用ニ胡: ซออุ้ )。
ソーは、ランナー・タイの民族芸能「ソー」にはなくてはならない楽器。「ソー・ウー」が使われる。共鳴箱の部分は、「椰子の殻」が使われている。

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クラチャップ・ピー ( กระจับปี่


インド由来の4弦ギター。西洋のリラも同源だそうだ。一弦のものもあるらしい。

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スン ( ซึง


ランナー・タイの4弦ギター。「ピック」は使わない。
「クラチャップ・ピー」と同系の楽器。
北タイの民俗芸能「ソー」などの伴奏用に使われる。

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ケーン(笙) ( แคน


イサーン(タイ東北部)の楽器。中南米の「ケーナ」が、もとか。
日本の雅楽で使われる「笙」と似ている。
ベトナム方面から伝来したものか。
イサーンの民俗音楽「モーラム」には欠かせない。

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アン・カルン ( อังกะลุง


竹筒で作った一種のカスタネット。各音程のアン・カルンがあり、7個あれば、音階を表現できる。
100年ほど前に、ジャワから伝えられたものらしい。
本物の演奏を聴いてみて、その妙なる調べに感動。
g25_thumb.png ピー・ノーク ( ปี่นอก
もっとも小型の縦笛。長さ約30cm。
g26_thumb.png ピー・ナイ ( ปี่ใน
よく使われる縦笛。長さ約40cm。
g27_thumb.png ピー・チャナイ ( ปี่ไฉน
非常に小型の縦笛で長さ約20cm。木または象牙でできている。高音用と中音用がある。
g28_thumb.png ピー・ジャワー ( ปี่ชวา
ピー・チャナイとほとんど同じ形の縦笛で、ジャワから伝えられたもの。
g40_thumb.png クイ ( ขลุ่ย

上記「ピー」が、オーボエ系の管楽器であるのに対して、「クイ」というのは、リコーダー系の楽器である。
 「クイ」にも各種あるが、主なものは、以下の大中小3種類。
 「クイ・ウー(ขลุ่ยอู้)」(長さ58cm)、「クイ・ピエンオー(ขลุ่ยเพียงออ)」(46cm)、「クイ・リープ(ขลุ่ยหลีบ)」(36cm)
 北タイでは、「クイ」の吹き口を口中深くくわえ込んで演奏する。
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コン・モン・バイ・レック ( ฆ้องโหม่งใบเล็ก

組み立て式の比較的小型のコン(ドラ)。径は約40cm。タイでは、ドラの音を“モン、モン、モン”と表現する。昔は、ドラで時間を知らせたので、「モン」が今でも時間の単位になっている。ドラはほかにも数種類ある。メチャンのリゾート公園には、直径5mちかいコン・モンがある。
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クラップ・クー ( กรับคู่

竹で作られた拍子木
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クラップ・プォン ( กรับพวง

複数枚の竹片で作られた、カスタネット状の楽器。
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ポン・ラーン ( โปงลาง

マリンバ様の楽器。つり下げて使う。
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チャープ ( ฉาบ

シンバル。

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チン ( ฉิ่ง

シンバルの小型のもの。



(※) 楽器の説明などは、 wikiのタイの楽器 のページが参考になります。