北タイの野菜

パク・ウート ( ผักกูด )

Diplazium esculentum (RETZ.) SWARTZ.
( メシダ科 : Athyriaceae )

 (タイ)  パク・ウート ( ผักกูด )
 (日本)  クワレシダ     (絶滅)
 (英) Edible Fern, Vagetable Fern


 日本にも、先島諸島など暖地ではよく見られたものだそうだが、地質年代的な気候の変動の影響か、ほとんど見られなくなり、「絶滅種」ということになっているらしい。
 タイで食用に供される「シダ植物」は、このほかには1,2種類 あるだけである。
 日本の 「ワラビ」 のように「根」 から「でんぷん」 を採取するということも聞いたことがない。
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パク・ウートヒロハノコギリシダ( D. dilatatum ) に似る大形のシダで、沖縄に自生していたらしいが、現在では見られなくなり、日本では 絶滅種 ということになっているのだそうだ。
 『学生版牧野日本植物図鑑』 には、同属では、「 ヘラシダDiplazium subsinuatum ) 」 だけが掲載されている。
俗に「ヒトツバ」 と呼ばれる、ペラっとした葉1枚 だけの羊歯(シダ) で、似ても似つかない姿であるが、同じ、Diplazium 属なのだそうだ。

 このあたりでは、川岸や、谷すじなどの水辺に近いところなら、どこにでもみられる植物であるが、市場に出荷するため栽培もされているようである。
 わずかに開き始めた若芽は、「ワラビ」とよく似た食感である。
 また、少々開き気味のものは、「コゴミ ( クサソテツ : Matteuccia struthiopteris」 によく似ている。
 淡白な味で、「ワラビ」のように「灰汁抜き」の必要がまったくない。
一度に、たくさん食べると、眠気をもようすので、「パク・グオン(眠くなる野菜)」 と勝手に呼んでいる。
茹でて、「つけ味噌(ナム・プリック)」で食べるか、「ケーン」の具にする。
「ほうれんそう」の「おしたし」のように、醤油と鰹節 も美味である。
 「パク・ウート」は、「食物繊維」 を除けば、あまり栄養分の多くない「ダイエット食品」 だそうである。


【 薬効 】
 ・ 疲労回復、衰弱回復に効果あり。
 ・ 「ベータカロチン」 が多く、視力回復に効果があり、免疫力向上にも。