フォト・トピックス


メチャン市場寸描


かみさんたちの買い物に付き合っ て、メチャンの常設生鮮食品市場を、歩きながら撮影したものです。
 北タイの田舎に長期滞在でもされているか、よほど物好きな旅人ででもなければ、田舎の市場の中は歩かれたことはないかと思い、良きにつけ、悪しきにつけ、雑然として商品の豊富な市場内ののぞき見のお手伝いということで掲載しました。
それぞれの画像をクリックすると、約2倍の写真に変わります。


メチャンの町は、「ドイ・ メサロン」 の南の谷を西から東へ流れ下り、やがて「メカム川」 に合流する「チャン川」 の東側に発達した町です。
 「パホンヨーティン道路」 の旧道と「チャン川」 にはさまれるような位置に「メチャン」 の市場 (カート) があります。
したがって、市場への正面の入り口といえば、この道路側の「繁華街」に面した路地ということになりますが、路地は狭く、駐車場も十分ではないため、市場の西側、川に面した側から入ります。


 この「メチャン市場」 は、チェンライの中央市場と並んで、山岳少数民族の多く見られる市場です。
現在では、彼らのトレイド・マークの民族衣装姿が大変少なくなり、何族かを見分けることは難しくなってしまいましたが、10年余り前までは、華やかな目立つ衣装の女性がよく見られたものでした。
 その頃は、近在の山の中から、バイクか徒歩で、「炭」、「タケノコ」、「キノコ」、「山菜」 などの「山の幸」 を背負子で担いで売りに来て、その売り上げで、山で使う品物を買って帰るといったことをしていたようです。
1日がかりの長道中だったようで、朝暗いうちに山の村を出て、家に帰り着くのは夜中などということも珍しいことではなかったそうです。
 山の道路も整備され、車も普及した現在では、買い物に来る山の人たちのほとんどは、仕入れにやってくる商店主が多くなってしまいましたが、なかには、「乗り合いバス(ソンテオ)」で、買い物に来るものもいるようです。







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「メチャン市場」の裏口

手前に駐車場などがあり、数十メートル先の「チャン川」にかかる橋の向こう側が、古くからある、メチャン市内でもっとも大きな常設市場です。

 雑貨、乾物などの店の多くは、1日中営業していますが、生鮮食品などを扱っている店の多くは、午後になると店じまいしてしまい、午後からは、比較的最近出来た、街中の「午後市」に行かないと野菜・魚などは、手に入らなくなります。
 もともと、この「午後市」は、「おかずや」さんの集まりだったのですが、今では、野菜なども扱っているようです。

 
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橋のたもとのお菓子やさん

橋の手前には、飲み物屋、「ルクチン(肉団子焼き)屋」、「クレープ屋」などの屋台店が出ています。

なぜか、「クレープ屋」には、「クレープ・イープン(日本クレープ)」の看板が掲げてあります。
浅草あたりの下町で見られるものかもしれません。
「モンジャ焼き」に似たお菓子のようです。
 手馴れた手つきで焼いているのを見ていると楽しいもので飽きませんね。
 子供連れは、買い物の帰りには、ここで必ず引っかかっているようです。
 
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バイク一時預かりと宝くじ売り

 橋を渡っ手すぐ右手に、バイクの一時預かり所があります。
 一番奥の方に駐輪所があるのですが、暗くて見えにくい要です。拡大写真の方がいくらかは、それとわかるかもしれません。

バイクなど、どこにでも止めておけるし、「不法駐輪」で取り締まりを受けるなどという ことはないのですが、バイクの盗難があとを絶たないため、こういったところを利用する人が多いようです。
預り賃は、10円ほどのようです。
 宝くじ売り場と「イサーン・ソーセージ」は、この場所に常設のようです。売り場のおばさんは、風邪をひいているわけではなく、お役所の指示でマスクをするように。
 
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くだものや

橋を渡った正面あたりが、「くだもの売り場」です。
「くだものやさん」数軒がこのあたりに店を出しています。
  南からやってきた「ドリアン」、「マンゴスチーン」、北の国境を越えてやってきた「りんご(ふじ)」、「なし」、時には「桃」や「柿」なども並んでいることがあります。
たくさん並んでいる「柑橘類」は、ほとんどが、県内産か、チェンマイ県からのものです。
過剰生産気味のため価格は暴落しているようです。
 メチャンの「ワット・カサー(カサー寺)」のまん前に、1軒だけ、「くだもの専門店」がありますが、たいてい「くだもの」は、このメチャン市場の中で間に合うようです。
 
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八百屋(1)

 「くだものや」に隣接し、野菜を扱っている店が、やはり数軒。
このあたりの野菜作り農家の畑は、標高1000m以下の山地か、山沿いの低地にあります。
 山地の農家は、すべて「山岳民族」と呼ばれている「アカ」、「ヤオ」などですが、車も普及し、山地のアクセスが便利になったことから、野菜つくりをする少数民族も多くなったようです。

 売られている野菜の多くは、地場産のものですが、チェンマイ県産や、遠くは、ミャンマーなどからのものも、わずかながら混じっているようです。
 
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八百屋(2)

 「にんじん」、「キャベツ」、「ブロッコリー」、「カリフラワー」、「グリーン・ピース」などは、10年前には、滅多に見られなかった野菜ですが、最近 では、都会のスーパーでしかお目にかかれなかった各種の野菜も手に入るようになりました。
 たまに、「日本キュウリ」、「日本なす」などを見かけることもありますが、「契約栽培」で引き取ってもらえなかった「規格外」サイズのようで、普段は、 日本のだいこん」、「ゴボウ」などの日本の野菜が、売られていることはないようです。
 味や食味の問題ということではなく、日本の野菜の多くは、病虫害に弱く、営農栽培できないのだろうと推測されます。
 
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魚屋(1)

 野菜売 り場の隣りに「魚屋」さんがあります。
遠く、海からやってきた魚介類売り場は、氷の解けにくい、市場のずっと奥の方にありますが、このあたりは、地場の淡水産がほとんどです。

 川や沼で捕れた「天然もの」もありますが、生きている魚のほとんどは「養殖もの」のようです。
 
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魚屋(2)

 「循環ポンプ」のついている「生簀」に飼われて売られています。「養殖もの」の場合、死んでしまった魚は、半値くらいの価値しかなくなってしまいます。
 「養殖もの」は、どうしてもにおいが気になり、調理方法なども、「唐揚げ」などにすることが多いようです。
 赤い魚は「タプティム(ルビー)」といって、美味しいらしいですが・・・。
 
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「モエビ」

 天然ものの「モエビ」です。
「手長エビ」に似た小さなえびです。
養殖もされているらしいですが、このあたりでは、天然ものばかりのようです。
 生きのいいものを「おどり」で食べるようですが、「天ぷら風の揚げもの」、「乾煎り」など、なかなかの味です。
 「かき揚げどんぶり」もいけるのではないかと思っておりますが、まだ試してはおりません。
 
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「かえる」

 養殖ものの「かえる」です。
食用にされる「かえる」にも、数種類あるようですが、養殖されるのは「コップ」と呼ばれている、この「かえる」だけのようです。

 北タイへ越してきた当初、皮も内臓も一緒くたにぶつ切りにした「かえる料理」をだされて、それ以来、「かえる」は、口にしないことに決めました。
 「かえる」の干物なども、売られていることがあります。
 
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肉や

肉屋さんも、日の当たらない市場の中ほどの一角にあります。
新鮮な肉は、今朝、まだ暗いうちに肉にされたものです。
 早朝に市場に出かけると、 「レバー」など、「湯気」が立っているのではないかと思われるほどのものに出会うことがあります。
 「豚」、「牛」、「水牛」など、べつべつの店で扱っているようです。
0.5キロとか、1キロとか、まとめ外をすることが多いのですが、部位によって値段が変わるということはなく、”皮はいらないから、はずして”と頼んでも いやな顔をされるということはないようです。 
 
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ガラクタ、おもちゃや

昔の上野の「アメ横」のような、ガラクタおもちゃなどを扱っている店です。
 メサイのアーケードに行くと、こんな店が軒を連ねていますが、中国製品が多いようです。
 地元の祭りなどの夜店にも、こんな露店が出ていることが多いようです。 常設の露店といったものでしょうか。
 タイ人のふところ具合も、よくなってきて、「安かろう悪かろう商品」の売れ行きはだんだん悪くなり、今では、子供のおもちゃ主体に変わってきてしまった ようです。
 
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衣料品や(1)

 今、若い女性向けの流行の衣料品などもぶら下がっています。
 
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学用品や

 鉛筆などの筆記用具と並べて、通学用の靴下なども。
 
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田舎の100円ショップ

 安物の小物雑貨の店です。均一価格ではありませんが、日本の100円ショップを髣髴とさせる品揃えです。
 
 
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履物や

 履物とかばんが同じ店で売られているところは、日本と同じですが、履物のほとんどが、サンダルというのはさすが、気候の温かい土地柄の品揃えです。
 
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子供用衣料品

 靴下は、1足10バーツ。
冬物のパジャマなども、ぶら下がっているようです。
 
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衣料品や(2)

 子供用、大人用、さまざまな衣料品が売られています。国王慶賀式典も近いため、黄色のTシャツなども見られます。
 
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散髪長屋

 「チャン川」の岸辺のがけのような狭い場所に建てられている平屋のゲタバキ長屋です。
 1区画は20平方メートルほどの、狭いところですが、全部で7区画あるうちの4区画が「理髪店」です。
この中のひとつが、お気に入りの床屋で、料金は、30バーツ。
たいてい、チップを含めて100バーツ渡していますが、サービス料ではなく、技術料だと思っております。
 「理髪店」以外には、美容院、足マッサージやさんなどが入っています。
 
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米や

 我が家では、米は「精米所」で買うのが普通ですが、土日などで、精米所が休みのときや、メチャンについでがあったときなどには、この店で購入します。

 米屋は、このほかにも、市場の真ん中あたりに、大きな店がありますが、利用したことはありません。
 あとの方にある「サンプル米」の写真に登場するのが、おかみさんですが、愛想はよくありませんが、いやみなところがない好感の持てる商人です。
 
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台所用品などの雑貨や

 市場内にも、市場の門前通りにも、この種の店は数軒あります。プラスティック製品や、薄手のアルミの鍋釜が目につきますが、この手の品物の耐久性はよくないため、1,2年で買い換えないとならなりませんが、長持ちする良質の製品は、高価なため、あまり売れないようです。
 
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エンジンもの、よろず修理うけたまわります

超小型のガソリン・エンジンやディーゼル・エンジンを使った刈り払い機やポンプなどはよく壊れるようです。
 手入れや使用方法などに留意しないのが、故障の主な原因のようですが、教育・指導もろくにしないで、「縄文人」に尾それを要求するのは無理というものでしょう。
 
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ゲタバキ商店街

 どこへ行っても見られる、分譲あるいは賃貸の商店長屋です。
 中2階のある3階建てくらいのものが多いようですが、住宅をかねているものや、上階を倉庫として使っている場合などさまざまなようです。
 右の2区画が「米や」ですが、この「米や」が、この長屋のオーナーにちがいありません。
 親が精米所を経営している華人系の店でしょう。
 
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米やの「サンプル米」です。

   女主人は、あきらかに華人系の顔立ちをした女性です。
 
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米屋の手代(1)

 すこし離れたところまでだと、台車で運ぶこともありますが、すぐ近くだと、このように担いだり、次の写真のように、頭の上にのせて運んだ方が早くて手間いらずのようです。
 
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米屋の手代(2)

 商店の売り子は、女性が多いのですが、力仕事を要するような商品を扱っているところは、このように男性も働いています。
 ほとんどが、山岳民族の若者ようです。
 
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有料パーキング

 ここは、10年あまり前までは、普通の「しもた屋」でした。
屋敷と道路との境には、木の塀がありました。
 当時はまだ車もあまり多くはなかったのですが、それでも門前に駐車されて困っていたようで、「門前につき駐車禁止」の貼り紙が見られました。

 そのうち。塀が壊され急ごしらえの有料駐車場になり、いまでは、10台あまりの駐車が出来るように整備されました。
 1台5バーツの料金ですが、市場から近いこともあって、1日あたり、500バーツ近い収入になっているようです。 
 
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「アカ族」

 山へ帰 るトラック便を待ちながら、立ち話をしている「アカ」のおじさんとお姉さん。夫婦ということは考えられませんが、親子というのでもなさそうで、同じ山の集 落から買い物 に来た人のようです。
 話の内容は理解できませんが、何か真剣な話をしているようで、興味があって、つい撮ってしまいました。
 90%以上の確率で「アカ族」に間違いないとは思いますが、もしかすると、「ラフ族」かもしれません。
 「山岳民族」も、普段、「民族衣装」で外出することは少なくなり、昔とちがって、服装から見分けるのは難しくなりました。