ドリアン (トゥリアン)







果樹園のドリアンの木
( サケオ県:加藤氏ご提供 )

ドリアン (パンヤ科)
Durio zibethinus Murr.
 

(タイ)   トゥリアン
(日本)  ドリアン
(英) Durian、 Duriyan


 ドリアンは、東南アジアを代表する果物で、マレー・インドネシアあたりが原産地らしい。
 「キング・オブ・フルーツ(果物の王様)」と呼ばれていて、その食味のすばらしさは、味わったことのある人でないとわからない。すばらしい香りの、甘いクリーム・ケーキを思わせるような食味は、はじめて経験すると、天然の食べ物とは思えないほどで、まさに王者の果物である。
 過熟した果実には独特の異臭があり、嫌う人も多く、 ホテルなど持込を禁じているところもあるらしい。

 現在では、東南アジア一帯で、多くの品種が栽培されている。土地を選ぶことと、寒さに弱いことから北タイでの栽培は難しいが、最近、「ウタラディット県」が、タイの最北の産地として脚光を浴び始めた。
 野生状態では、高さ40m以上になる高木らしいが、果樹園では、10m前後に仕立てているようである。
 果実の外見上の特徴は、なんと言っても、鋭いトゲである。人頭ほどの大きさで、2〜3キロのものが多いが、 なかには、5キロ近いものもある。
      参考「東南アジアの果樹」(農林統計協会刊)


 タイで売られているドリアンの品種は、「カンヤーオ」、「モントン」、「チャニ」などであるが、上品な味と香りの「カンヤーオ」は栽培が難しいのか、あまり目にすることはない。かつては、「チャニ」が一般的だったが、現在では、香りもおだやかで、品のいい味の「モントン種(右の写真)」が多く出回るようになった。
 ドリアンは、非常に傷みやすい果物で、完熟前に収獲し、市場に出すため、あと熟させたものの「食べごろ」の判断が難しいことと、果実が硬いトゲにおおわれているため、皮むきが大変なため市場などでは、可食部分を取り出してパック詰めされたものが売られていることが多い。
 タイの市場では、たいてい食材は試食してから購入するのがふつうだが、ドリアンは試食できないことがほとんどである。信用できる売り手から、食べごろの時期を聞いてから買うのが、失敗しないコツである。
 ずっと以前のことだが、日本のスーパーでドリアンを見かけて、大喜びで買った(確か、1個、7000円くらい)が、まったく未熟状態で食べられなかったことがあった。幸か不幸か、あまりの高価な値段のためか、レジ係がまちがって、一桁少なくレジに入力していたため、あきらめもついたことを覚えている。



「モントン種」のドリアン

( 1個、300円前後は高くない。)



ドリアンの可食部分
( おいしそうでしょう。)


ドリアンの花
( 無断転載 )




( 参考 ) ドリアンにとっては不名誉な話

 最近は、日本でも「ドリアン」 が出回っているようです。
空輸するとはいえ、輸送や検疫などに時間をとられるため、店頭に出るころには「過熟」になっているものも多いのでしょう。
 ドリアンにとっては,まことに不名誉なことですが、「臭い騒動」なども起きているようです。
先日、インターネットの asahi.com で 以下のような記事を見かけました。
 「過熟」の問題や、「食べかす」 の処分など注意しないと、「ドリアン」 が、「犯人」 呼ばわりされて気の毒です。


ドリアンのにおいをガス漏れと勘違い、「果物の王様」 と呼ばれるドリアン
                            ( 広島 2006年09月22日21時38分 )
 広島市内で今月、とげに覆われた皮が特徴で「果物の王様」と呼ばれる東南アジア原産のドリアンのにおいをガス漏れと勘違いする119番が2件相次いだ。
 市営住宅とマンションの住人が「隣がくさい」と通報。警察と消防が出動したが、「犯人」 はドリアンの食べかすだった。20代と40代の女性の部屋だった。
 輸入業者によると、ドリアンは強烈なにおいから、原産国でも持ち込み禁止のホテルがあるという。ビタミン豊富で美容にも効果的だが、業者は「換気を忘れずに」。 』