昆虫を食べる (4)  -  「チクン(オオコオロギ)」

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 はじめて見たときは、さすがにビックリしました。
熱帯地方に生息している昆虫には、日本のものと比べて、大型のものがよく見られるのですが、大人の親指ほどもありそうな「お化けコオロギ」でした。これを食べるんだと聞いて、さらに仰天。後になって、わかったことですが、東南アジア一帯に棲んでいる「タイワンオオコオロギ」の一種だそうで、タイばかりではなく、東南アジア一帯のあちこちで食用にされているらしいです。

 雨期も半ばを過ぎた頃、雨上がりを待って、鍬を持って「チクン堀り」に出かけます。
川岸の土手や里山一帯、時には、屋敷の庭にも巣(?)を作っています。
 親指位の穴が、あちこちにあり、穴の深さは、20〜30cmくらいで、思ったより浅いところに棲んでいます。


       屋敷の中の「チクン」の穴にホースで水を注ぎ込みますと、あっという間に、穴から飛び出してきます。
      犬も気になるようで、「チクン」の穴の付近を、「ここ掘れワンワン」式に、掘り起こしてしまい、
      花壇や芝生が荒らされて困ることもたびたびです。

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 「コオロギ」のなかまは、空腹時には、共食いをするくらいですから、ひとつの穴には、1匹しか棲んでいません。
巣というよりか、昼間の避難場所といったほうがいいのかもしれません。夜間に巣穴から抜け出してきて、えさをあさったり、異性を求めて鳴きあったりしているようです。

 たいていは「乾煎り」にして、食べるようですが、「下ごしらえ」が結構大変なようです。「土臭い」らしく、1,2日、「魚篭(びく)」の中で飼ってから、羽根と脚先を、むしりとったあと、爪楊枝のようなもので、内臓を取り出し、首のあたりを折ったあと、食道の部分も取り除きます。内臓は、「辛い」そうで、食べる人はいないらしいです。それにしても、頭からバリバリと食べるわけで、かなり「グロ」ですね。味の方は、経験がないので、なんとも。

    食習慣の違いとは言え、いやですね。やっぱり「縄文人」だ。
   昔のことは知りませんが、「チクン堀り」というのは、いまでは「栄養補給」なんてことじゃなくて、「娯楽」ですね。

    ちなみに、普通サイズのコオロギ「チヒット」も、食べますが、こちらの方は、頭から丸ごと食べるようです。