インドナツメ (プッサー)

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1月の結実は、鈴なりです

プッサー (クロウメモドキ科)
 Ziziphus mauritiana  Lam.

 
(タイ) プッサ、ムタン、バタンなど
(中国) 蛮棗、吉寧棗(タミールの棗)
(英) Indian jujube、Jujube


 インド、セイロンの原産。熱帯・亜熱帯に広く分布。
樹高、10m弱の常緑の低木。繁茂すると枝は下垂する。気候や土壌に対する適応性は高い。

 果実は、4cmくらいの卵形のものから、直径が10cm弱の球形のものまで、品種によってさまざまで、熟すると「茶色」になる。消化がよく、精神薄弱者に薬効があるそうだが、食べ過ぎると、寒むけや咳をおこすらしい。
      参考「東南アジアの果樹」(農林統計協会刊)
 「プッサー」は、年に2度開花します。雨期初めのころ開花したものは、実がほとんどつきませんが、8,9月頃に開花したものは、年初頃に食べごろになります。
 タイ人は、よく熟し「茶色」になったものが好みのようですが、さっぱりした味の未熟で青いものが美味しいです。
 球形の大きい品種のものは、一見したところ、別のくだもののようにみえます。色も形も「青りんご」に似ていますが、酸味はまったくありません。青い皮ごと、ガブリと食べますが、中は、ややスカスカ気味の真っ白で、比較的小さな細い種子が1個入っています。

 はなはだ個人的なことですが、「ナツメ」というのは、大陸に住んでいた幼少の頃、よく食べた懐かしい名前ですが、今思い起こせば、どうやら、この「プッサー」を乾燥加工したもののようです。
 いっとき、中国で云うところの「ナツメ」は、「 ナツメヤシの実 (デーツ) 」だったかもしれないとなと思い込んでおりましたが、どうやら間違っていたようです。
 こちらの方の「 ナツメヤシの実 (デーツ) 」は、「小豆餡」のような、とても甘い乾燥果実で、タイでは、「 インタパラム 」とよんでいます。
 別項、「 インタパラム 」も ご覧ください。

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市場で買った ムタン
北タイでは、プッサーを 「ムタン」 と よんでいます。

   台湾から導入された、「ハチミツ種」のプッサー。
  ハチミツ種は 「 サーイ・ナーム・プン 」 といいます。
   ゴルフ・ボールより大きく、甘くて美味しいです。
  産地名と品種名のシールが、貼ってあります。
   最近、シールを貼るのが、はやりのようです。


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最近、我が家でも、「サーイ・ナーム・プン」を植えました。来年(2007)ころには、実がつくかもしれません。