パイナップル (マカナット)

パイナップル

パイナップルの赤ん坊

パイナップル (アナナス または パイナップル科)
Ananas comosus (L) MERR  

(タイ) サパロット 
(北タイ) マカナット、マークナット
(中国) 鳳梨 (オンライ)


 熱帯アメリカ原産で、新大陸発見後、早い時期に世界中に広まっていった「くだもの」のようである。
 タイへは、アユタヤ時代に入ってきたらしいが、大規模栽培されるようになって、まだ四半世紀ほどにしかならないようである。

「アナナス」類は、耐乾性の植物だが、過湿には弱く、傾斜のある水はけの良いところでしか栽培できない。
 手間のかからない強健な植物で、苗を植えてからの結実も早く、翌年には「パイナップル」を食べられるようになる。

「パイナップル」についての詳しい解説は、「ウィキペディア」の この ページなどが参考になる。

 「リンチー」とともに、県を代表する「くだもの」である。
 タイの「パイナップル」の産地は、南タイの「プラチュアップキリカーン」、「プーケット」などが知られているが、県都の北に位置する「ナンレー町」の「サパロット・ナンレー」は、全国的にも有名になった。

 ナンレー町を貫くハイウウェー沿いの道路わきには、季節をとわず「パイナップル」売りの屋台が並んでいる。

 20年ほど昔のことだが、わが家に近いところに王立の「缶詰工場」ができた。地場でとれる野菜・果物類を加工している。加工工場が近くに出来たため、県北の「フエカイ町」の山沿いの農家あたりでも競って「パイナップル」栽培を始め、今では、「ナンレー」をしのぐほどである。「パイナップル御殿」もあちこちに出来た。

 「パイナップル」は、連作を嫌う作物で、2,3回収穫すると、成長が極端に悪くなり、新しい土地を探さなければならなくなる。
そのため、「フエカイ」の農家が、近辺に土地を借りて「出作り」するものが多くなり、わが家の近くにも、広大なパイナップル畑がみられるようになった。

 わが家でも、知り合いの家から苗を頂戴してきて、自家用に植えている。苗を植えつけた翌年または翌々年には収穫できる。
「くだもの」として生食するほか、「酢豚(パットピオワーン)」には欠かせない素材である。

 「パイナップル」は、すぐれた健康食品で、必須ビタミン・ミネラル・食物繊維に富み、利尿作用のある食べ物だそうで、「糖尿病防止」にも効果があるらしい。
また、「パパイヤ」と同じように、肉類の繊維質を柔らかくする作用があり、焼くまえのステーキ肉などに果汁をまぶしておくといいらしい。




パイナップルの乾燥果実
 

乾燥地帯を好む植物で、パイナップル畑は、
見た目にはあまり美しいものではありません。

自宅の庭で「パイナップル」作り
日本でも、自宅でパイナップルを「栽培」することが出来るそうです。
福田さんのホームページ  「パイナップルがなった(Pineapple) 」 を参照の上、是非チャレンジしてみてください。
ロゴをクリックするとジャンプします。



パイナップルの種類

シンガポール種 または シーラチャ種

市場で、もっとも良く見かける種類である。
長大な果実で、生食も出来るが、適度の酸味があり
料理用にも向いている。
缶詰用にチェンライでの栽培も多い。

 同系に先端がやや細くなっている変種(バタビヤ種)がある。
プーケット種

南タイで多く産出される種類である。
生食のほか、豚肉・海老などとの相性もよく
しばしば、タイ料理に使われる種類である。
果実は、長大である。

 当県の「ナンレー」に移植して、「プーレー種」が生まれた。
ナンレー種

当県の「ナンレー町」で固定化された品種である。
果実はやや小型であるが、糖度が高く、生食に向いており、最近都会でも有名になってきた。

気候や土壌のちがいから、他県に移植しても同じようにはならないらしい。
プーレー種

握りこぶし大の、もっとも小型の種類である。
非常に糖度が高く甘いのと、小型の特性で1個あたりの値段(10円ほど)の安さから、最近ファンがふえてきた。

交配種()ではなく、「プーケット種」を「ナンレー」に移植してきたものが、栽培の年数を重ねるごとに小さくなったもの。
(写真はありません。)
イントラティット種

アユタヤ時代にタイに入ってきたもののようで
タイの在来品種といってもいいような「パイナップル」である。
中部タイの「チャチュンサオ県」を中心に、全国各地でみられるようであるが、営農栽培はされていないようである。


( 注 )

 「パイナップル」というのは、非常に面白い植物である。

 通常、われわれが食する部分は、実は、果実ではない。果実を支えている茎(果梗)が多数癒合してできた部分が「パイナップル」の「実」なのだそうだ。
 果皮の表面の「目」と呼ばれる「うろこ」ひとつひとつが果実で、種子は、皮と食用部分との境目あたりに出来るものらしい。

 だが、現在栽培されている「パイナップル」のほとんどが、滅多に種子の出来ない「種無しパイナップル」だそうで、種子らしいものも見たことがない。

 そのようなわけで、「パイナップル」の交配品種を作出することは、ほとんど不可能なことであるらしい。 「プーレー種」が「「プー ケット種」と「ナン レー種」の交配によって出来た品種であるかのような風評があるが、多分何かの誤解であるにちがいない。

 世界中には、多くの「パイナップル」の品種が出回っているが、そのほとんどすべてが、突然変異によって出来た変種を固定したものだそうである。

 「パイナップル」は、一度花が咲いて実がなると、その茎はやがて枯れてしまうのだが、その前に、脇芽をたくさん出す。営農のための繁殖は、この脇芽を移植して行うのが普通で、移植後、1〜2年すれば開花結実する。

 また、成長が遅いため、営農用にはほとんど使われないが、「パイナップル」頂部についている冠芽(Crown) ( タイではこの部分を、『タキアン(石油ランプ)』とよんでいる ) を移植することによっても繁殖することが出来る。ただし、この場合は、通常の脇芽を利用した場合より、結実までの期間が2〜3年長くなる。