マンゴー (マムオン)
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マンゴー
(ウルシ科) Mangifera indica LINN. (タイ) マムオン (中) 芒果 (英) Mango インドからマレー半島にかけての熱帯アジアの原産。 栽培の歴史は非常に古く、数千年前に、すでにインドで栽培されていたらしい。 現在では、世界各地の熱帯地方で、多くの品種の「マンゴー」が栽培されている。 樹高10〜20mの常緑高木。2月前後に総状花序の小さな緑白色の花をつけ、暑期の初めころから市場にたくさん出回るようになる。 タイでは、「キィオサウーイ」種など、未熟の「マンゴー」に人気があるが、完熟したものは、「ムロ」で熟成されたものが多い。 参考「東南アジアの果樹」(農林統計協会刊) |
木で完熟した「マンゴー」を、外皮をむきながら、かぶりついて食べるのは、至福である。 「ウルシ」のなかまの植物で、まれにではあるが、人によっては「かぶれる」ことがあるらしい。こんな食べ方をした後は、口のまわりをよく洗っておくに越したことはない。”マンゴーは風呂場で食べろ”などいわれることがあるそうだ。 マンゴー独特のフルーティーな香り、わずかに酸味のある甘さ。 「マンゴー」の種類は非常に多く、タイで出回っているものだけでも数十種類あるらしい。 酸味の強いもの、コクのあるもの、熟すと大変甘くなるものなどさまざまである。 未熟の「マンゴー」は、「パパイヤ」と同じように「ソムタム(タムマムオン)」にしたり、「ナンプラー」や「唐辛子塩」などをつけて食べることが多い。 完熟したものは、「くだもの」として普通に利用されるほか、「カオニィオウ・マムオン」にする。なかなかしゃれたデザートである。 |
![]() 市場で売られている完熟マンゴー |
![]() 特に、「コガネムシ」類の幼虫(キムシ)や「ハナゾウムシ」の仲間に食害されやすく、樹勢が弱ると壊滅的な被害をこうむることがある。品種によって耐性のあるものもあるようだが、若木が特に弱く、営農栽培では、殺虫剤の使用が欠かせない。 在来種は、比較的耐性があるのか、左の写真の、わが家の老木 は、植えてから50年あまりになるが、時々、枝の一部が枯れるくらいで、長生きしている。 樹高、約20m、毎年、小型で丸い実(「 ファーイ 」 種 )をたくさんつける。 雨期初めころ、大風が吹くたびに、完熟マンゴーが山ほど落ちてくる。子供たちにはあまり人気がないが、甘くて美味しい「天の恵み」である。インドでは、マンゴーを「神様のくだもの(The Fruits of Gods)」と呼ぶそうだ。 数年前に、落雷に遭い、右側3分の1くらいが枯れたが、ほとんど元通りに戻ったようだ。 同じくらいの「オクロン」の老木がもう1本あり、何とか元気でやっているが、10年余り前に、庭に植えた各種のマンゴーは、虫害のため枯れたものが多い。 |
「マンゴー」の若葉 「マンゴー」の花 「マンゴー」の実![]() |
「マンゴー」は、若葉も花も、「野菜」として食用に供され、 若葉は、「ヤム」という「タイ風サラダ」の材料にされる。 「マンゴー」の木は、「きのこ」栽培にも利用されるようである。 |
市場で売られている「キィオサウーイ」 未熟の「マンゴー」は、「つけ塩」つきで![]() |
主なマンゴーの品種
マンゴーの品種は非常に多く、タイで植栽されている種類だけで、
60種以上あるのだそうだが、植物検疫の問題などもあって、そのうち、
日本に輸入されているのは5種類ほどしかないのだそうである。
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ナムドークマイ ( น้ำดอกไม้ ) | 完熟食用 (日本などにも輸出) |
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ナンカーンワン ( หนังกลางวัน ) ガー と 同種(?) |
完熟食用 |
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オクローン ( อกร่อง ) | 完熟食用 |
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キィオサウーイ ( เขียวเสวย ) | 未熟食用 半熟食用 |
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レート ( แรด ) | 未熟食用 半熟食用 |
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トンカム ( ทองดำ ) | 未熟食用 半熟食用 |
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ファーラン ( ฟ้าลั่น ) | 未熟食用 |
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ノンセーン (หนองแซง ) | 未熟食用 |
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ファーサンマン (ฟ้าสั่งมัน ) | 未熟食用 |
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ピムセンマン ( พิมเสนมัน ) |
未熟食用 |
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ペットバーンラート ( เพชรบ้านลาด ) | 未熟食用 完熟食用 |
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ファーイ ( ฝ้าย ) サームルドゥー と 同種 または 近縁種(?) |
未熟食用 完熟食用 |
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ガー ( งา ) ナンカーンワン と 同種(?) |
未熟食用 |
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フアチャーン ( หัวช้าง ) | 未熟食用 |
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ケーオ ( แก้ว ) | 加工用 塩漬け、乾果など |
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サームルードゥー ( สามฤดู または สามปี ) 北タイの ป้อม または ขี้ย้า の 近縁種 |
加工用 フルーツ・ジュースなど |
「未熟」、「完熟」の区別は、かなり便宜的なもので、一般的な利用方法に過ぎない。半熟状態の「マンゴー」は、熱い気候の下では、数日で後熟してしまうが、酸味の少ない品種の場合、味は極度に低下してしまう。 北タイの田舎では、完熟食用に適したものを未熟のうちに食べることもしばしばである。未熟状態では、品種によって酸味や「ウルシ」臭さの強い弱いはあるが、すべての種類で未熟のマンゴーを食することが出来る。 未熟のマンゴーを食べる方法で、もっとも一般的なのは、皮をむいて薄片にスライスしたものを、「ナンプラー(タイ魚醤)」をつけて食べる方法で、酸味の強いものほど好まれるようである。 他の「くだもの」類と比べて、マンゴーの品種の数は、非常に多く、とても覚えきれないほどである。栽培の歴史が、古いということもあるが、実生でよく育つこともその理由のひとつかもしれない。 完熟したものの食べかすを庭の隅などに捨てておいても芽を出し、数年もすると実がつくようになる。通常は、「呼び接ぎ」で苗を作るようだが、実生でふえる ため雑種が出来やすい。田舎の家の庭などにあるマンゴーには、そうして育った木もあり品種の同定の難しいものも多い。時には、そんな雑種の中から、新しい 品種として普及するものもあるようだ。 有名な品種とわが家の庭や近所の家に植えられている品種を、一覧表にしたが、標準名として通用するかどうかは定かでないものもある。 |