いまが、食べごろ |
レイシ (ムクロジ科)
Litchi chinensis SONNERAT (タイ) Lin-chi ・・・中国人のきわめて好む果物で、・・・レイシを口にしないと食事を終えた気がしないほど、食生活には欠かせないものとなっている。 |
年明け早々に、白い粟粒ほどの花が、房状(チョーという)に咲き出し、雨季入りまじかの5月初旬から中旬にかけてが、最盛期になります。 未熟なものは、酸味が強く、熟すにしたがって、酸味が甘さに変化し、過熟になると、酸味がなくなるかわりに、いやみな香りをともなった大味なものになってしまいます。缶詰のあの味です。「缶詰」で発売されている「リンチー」は、また、別の食品。 最近は、日本のスーパーでも時期になると、台湾産などが手に入るようですが、よほど保存状態が良くないと、リンチーがおいしい果物だとは、とても思えないでしょう。残念ながら、果皮が黒変してからでは、リンチーの素晴しさは味わえません。 当地では、 リンチーは、非常に痛みやすい果物であるため、枝つきのまま出荷します。それでも、暑さのせいもあって、せいぜい2、3日しかもたないそうです。 また、雨季入り直前が収穫時期にあたるため、熟期に大雨にあうと、味は急激に悪くなり、商品価値が下がります。 なんと言っても、「もぎたて」が最高。一度、味わったら、「楊貴妃」でなくても、とりこになることうけ合いです。 |
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野生のリンチー ( コーレーン ) リンチーの原産地は、中国南部から、インドシナ半島北部にかけての、いわゆる「照葉樹林帯」と推測されているが、前記『東南アジアの果樹』 (財・農林統計協会1974年刊)によると、野生のリンチーは見つかっていないということになっている。 だが、わが家の西方の山稜地帯には、「コーレーン」 と地元の人たちが呼んでいる 「リンチーの野生種」 と思われるものが存在する。 多分、インターネット上で写真が公開されるのは、これがはじめてだと思われる。 果実の大きさは、大人の人差し指の先ほどで、栽培されている通常のリンチーと比べて2分の1以下である。 果皮は成熟すると、赤紫色で、「チャカパット種」の色に似ている。 味は、まれに甘いものもあるらしいが、通常は、大変酸味が強く、そのまま生食は難しい。酸味の強い「くだもの」を好む土地の人たちも、「塩」や「ナムプラー」に浸して食べることが多い。 種子が大きく、可食部分は非常に少ない。 まさかのまさかではあるが、「楊貴妃」の時代の「リンチー」とは、「コーレーン」のような「リンチー」だったわけでは。仮にもし、そうだとすれば、「楊貴妃」は随分な物好きか、妊娠中だったなんてことも・・・。 「コーレーン」が、「リンチー」の「野生種」であるのか、それとも、栽培されている「リンチー」の先祖帰りした実生苗が、何らかの理由で、山野に生育しているものかは、知るよしもないが、「リンチー」の「原種」か、あるいは「原種」に近いものであるものと思われる。 DNA鑑定など含めて、植物学者の調査研究を期待したい。 |
北タイのリンチーの主な種類
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「ホンホイ種」 (ฮงฮวย) 北タイで栽培されているリンチーの圧倒的多数派で、約10万ライ栽培されている。本品種だけで、年間、8万トン前後出荷されている。他は、すべて「ホンホイ種」の10分の1以下で、「リンチー」といえば、「ホンホイ種」と思って間違いないほどである。 ハート形の果実で、果皮は、ピンク色がかった赤色。種子がやや大きめであるが、可食部分も多い。酸味と甘味が調和し、上品な香りと甘さ(糖度17)が好まれる。庭の隅などに、自家用に「ホンホイ種」の「リンチー」を植えている家が多い。 12月から1月に開花し、5月初めころが旬だが、5月末まででまわる。 |
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「ホーヒヤ種、あるいは、オーヒヤ種」 (โฮเฮียะ/โอเฮียะ)
樹姿も果実も、「ホンホイ種」と比べるとやや小ぶりで、果実の形はやや細長である。 「チャカパット種」を小形にしたようなおもむきがある。 外皮は薄くてむきやすく、種子が小さいので可食部分が多く、「ホンホイ種」よりも酸味は少なく、上質とされている。「リンチー」特有の香りは、「ホンホイ種」よりやや劣る。 1月になってから開花し、「ホンホイ種」より1ヶ月ほど遅れて旬になる。 |
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「チャカパット種」 (จักรพรรดิ) 「リンチー」の王様とよばれるにふさわしい、特大の果実の品種である。 1個の重さは40〜50g。「ホンホイ種」の2倍近い。 果皮の色は、ピンクがかった、くすんだ赤色。表面の「うろこ」は滑らかでビロード状。 1月末から2月中旬にかけて開花し、収穫は6〜7月になる。 糖度は18。やはり、酸味がやや不足していると思われるのだが、上品な味。 |
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「クウォングチャオ(広州)種」 (กวงเจา) 我が家のあたりではお目にかかれない品種で、市場でみかけたこともないが、気がつかないだけなのかもしれない。 我々のような素人目には、他の品種との区別は難しそうである。 |