「美人」の産地


 女性を見た目だけで判断するのもどうかとは思うが、男たちにとっては、麗しい女性を目にすることができるということは、幸せなことであるには違いない。
 ランナー・タイ は、美人の産地ということになっている。北タイ出身の女性が、たびたび「ミス・タイランド」に選ばれたことによるようだが、タイ南部やイサーンを旅した知人も、北タイの女性はほかの地方と比べて美人が多いと言っていた。
 このあたりでも、タイの「美人」の必須条件の色白の女性をよく見かける。紫外線の強いタイで、色白を保つのにはいろいろと苦労が多いらしい。「ビルマ白粉(おしろい)」といって、若い女性が、顔中に黄白色の粉を塗りたくっているのも、日焼け止めのためらしい。初めてお目にかかったときには、びっくり仰天。万一、夜間にこんな顔の女性に出会ったなら「お化け」と間違えて腰を抜かすこと請け合いである。
気の毒ではあるが、タイでは、地黒はそれだけで「美人」失格である。地黒でも、目鼻立ちが整っている魅力的な女性にたびたび出会うが、地黒は、貧しい農民の象徴であるらしい。
 色白でふくよかな女性は、シャン族(タイ・ヤイ)に多い。北タイの色白の女性は、ランナー・タイの先住者であるタイ・ヤイの血をひくものが多いのかもしれない。
 こんなチェンライの片田舎でも、見た目だけは、日本に行けば女優さんになれるかもしれない程度の美人にはちょくちょく出会う。身長の割りに頭部が小さく均整のとれた魅力的な女性が多い。丸顔でぽっちゃり形の顔立ちが多く、「秋吉久美子」や「高橋由美子」クラスには、しばしばお目にかかることがある。
 「うりざね顔」というのは、北方系の顔立ちなのか滅多にお目にかかることはない。胴長短足は生活環境に影響されることもあるようだが、親譲りのような気もする。ござの上に座る生活が多いのに、スラッと足の長い女性が多い。
 二重まぶたが多いが、それでも整形して二重にすることもあるようで、一重の人もいるわけだ。
 整形手術といえば、街場では流行しているようで、テレビに出てくる女優さんや歌手など、ハーフ以外は軒並みである。(余談だが、女優さんには、西洋人との混血が実に多い。)鼻の穴がよく見えるタイプの顔立ちだったはずの歌手があるときから、白人並みの鼻になりびっくりしたことがある。まったく悪びれたところはなく、本人自身が整形したことを言いふらして歩くらしい。そんなもんかいな。
 チェンライ県では、南東部の「パデット郡」が美人郷として地元の人たちにも有名である。残念ながら、わが村のあたりは、美人が多いとは言いがたい。
 最後の写真は、イサーン出身の歌手、「チッタラ」。